建物明け渡しの前提として、もっとも問題となりやすいのが家賃の滞納です。家賃が積もれば、当然のことながら多額となりますし、第三者に貸すこともできない以上、損害は大きくなる一方です。
そこで、家賃を回収するにはどのような方法があるのか、弁護士にご依頼いただいた場合の流れをご紹介したいと思います。
- 敷金や保証会社から回収可能な場合もありますが、今回はそれらの場合は除外して説明します。
このページの目次
①賃借人・連帯保証人に内容証明郵便を送り、期限を区切って支払いを催促する。
契約解除も行なう場合には、内容証明郵便と特定記録郵便を同時に送る方法が適している場合もあります。
(相手から応答があった場合には、交渉を進める。合意ができた場合には、合意書を作成する。)
②賃借人らが請求に応じない場合には、裁判を提起する。
地方裁判所に提起する通常訴訟のほか、場合によっては少額訴訟という手続を利用することができる場合もあります。少額訴訟の説明は、本頁の後半に記載します。
③判決を取得したにもかかわらず、賃借人らが支払に応じない場合には、強制執行を行なう。
相手の給与や口座の差押を行ないます。
※少額訴訟
少額訴訟とは、通常の訴訟と異なり、1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする手続であり、特殊な訴訟手続です。
「少額」という名の通り、60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り、利用が可能です。
1回で審理を終える必要がありますので、証拠は、すぐに取り調べることができるものに限られるなどの制限があります。また、仮に、原告(訴訟を提起する人)の言い分自体は認められる場合であっても、必ず請求が全て認められるわけではなく、分割払いとされることや支払猶予、遅延損害金免除等の判決が言い渡されることがあります。
他方で、少額訴訟であっても、訴訟によって取得した判決又は和解調書は債務名義となりますので、相手が支払いに応じない場合には、判決等に従って、強制執行をすることができます。
また、期日を重ねる必要がないという意味で、通常訴訟に比べて、判決までの期間を短縮することができます。
〈最後に〉
以上が、だいたいの流れになります。簡単な説明にはなりますが、それぞれの過程で注意すべき点が沢山あり、法律の専門家である弁護士にご依頼いただければ、相手方の対応も裁判所の対応も、全て弁護士が対応させていただきます。
家賃の滞納でお悩みの場合には、ぜひ多摩中央法律事務所にご相談下さい。