無催告解除特約とその注意点

事業者が、そのオフィス・テナントの賃料を滞納しており、なかなか滞納分を支払わない場合、事業者との賃貸借契約を解除し、明け渡しを求めることが考えられます。

通常、賃貸借契約には、無催告解除の特約というものが入っており、賃料の滞納が●ヶ月(通常は2~3ヶ月)分に及んだ場合には、賃貸人は、催告することなく、契約を解除することができるという規定になっています。

しかし、実際には、この特約も無制限に認められるわけはなく、この特約どおりの解除ができる場合は限られています。以下では、裁判所の考え方と、無催告特約に基づく解除の注意点について紹介します。

 

〈無催告特約に基づく解除〉

前述したように、契約書上、無催告解除の特約が定められており、形式的には、その要件に該当するように見える場合であっても、必ず解除が有効になるわけではありません。

最高裁判所は、以下のように考えています。

***  以下、引用  ***

◆最高裁昭和43年11月21日判例

家屋の賃貸借契約において、一般に、賃借人が賃料を一箇月分でも滞納したときは催告を要せず契約を解除することができる旨を定めた特約条項は、賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的債権関係であることにかんがみれば、賃料が約定の期日に支払われず、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合には、無催告で解除権を行使することが許される旨を定めた約定であると解するのが相当である。

したがつて、原判示の特約条項は、右説示のごとき趣旨において無催告解除を認めたものと解すべきであり、この限度においてその効力を肯定すべきものである。

*** 引用終わり  ***

このような判例の説示を見ると、無催告解除をすることがあながち不合理であるとは認められないような事情がある場合にのみ、無催告解除は有効であると考えているように読めます。

したがって、賃料の滞納が2~3ヶ月に及んでいる場合、直ちに解除の意思表示をするのではなく、口頭や書面での督促を繰り返す等の措置をとり、それでも相手が応じない場合に解除の意思表示をする等の対応をとる方が、契約解除が認められやすくなると考えられます。

 

〈ぜひ弁護士にご相談を〉

このように、無催告解除の特約があり、賃料の滞納があるからといって、直ちに無催告解除が有効となるわけではありません。賃料の滞納については、回収の可能性を少しでも上げるために、早期に対応する必要がある一方で、無催告解除への対応は慎重にすべき部分もあります。

弁護士にご相談いただければ、早期解決の観点や解除の確実性の観点から、最適なご助言をさせていただきます。

事業者の賃料滞納にお困りの場合は、ぜひ多摩中央法律事務所にご相談下さい。

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