【コラム】賃貸借契約を大家さん側から解除できる場合・できない場合

1,賃貸借契約の賃貸人(大家さん)からの解除について

  賃貸借契約は、期間の定めがあるものとないものがあり、賃貸人からの一方的な解除ができるかを議論するにあたり、まず、期間の定めがあるものかどうかを確認する必要があります。期間の定めがない場合に分類されるものとしては、最初から期間を定めなかった場合の他、法定更新により期間の定めがないものとなった場合も含まれます。

*なお、この稿では、借地借家法が適用されるケースであること、定期借家ではないこと、を前提に議論を進めます。

 

2,期間の定めがある場合

・ 期間の定めがある場合の原則

期間の定めがある場合、その期間内においては、原則として一方的な解除はできません。もっとも、賃料未払いや用法違反など賃借人側に何らかの契約違反がある場合は、その程度や賃貸人から警告を受けた後の対応によっては解除できる場合があります。しかし、そういった問題が何もなければ、原則として、途中で一方的に解除することはできません。契約で定めたのですから当然ですが、逆にいうと、大家さん側としては、長い期間を定め過ぎないように注意する必要があります。10年、20年、というような長期間を定めてしまうと途中で解除したい理由が発生しても、賃借人側に問題がない限り、原則として解除できないことになってしまい、大家さん側としては長期間拘束されることになり、途中で自分で使いたくなった場合等には困ってしまいます。

 

・期間の定めがある場合の例外

 では、期間の定めがあるけれども途中で解除できる場合はあるでしょうか? 大家さん側としては、例外を設けておきたいところだと思います。実は、特約で、途中解除を可能にすることもできるとの対立場が有力です。すなわち、契約書に特約を定め、賃貸人からの途中解除を可能とするという方法です。借地借家法の、賃借人に不利な特約を無効とする規定(30条)との関係で議論はあるのですが、下級審判例では有効と認めるものが多いようです。

 ただし、その場合でも、予告期間は6ヶ月とすることと、正当事由(借地借家法28条)が必要です。すなわち、少なくとも、期限がない場合の解除の場合と同等の条件を満たす必要があると考えられているわけです。したがって、通知と同時に解約の効果が生じるような定めをしても無効と解され、また、予告通知の期間は6ヶ月としても、正当事由がなければ結局解除の効果は生じないことになります。

3、期間の定めのない場合

 期間の定めがない場合は、借地借家法27条1項に基づき、6か月前に通知することで解約が可能です。ただし、正当事由(28条)が必要です。

 正当事由は、

・建物の賃貸人が建物の使用を必要とする事情

・賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情

・建物の賃貸借に関する従前の経過

・建物の利用状況及び建物の現況

・立ち退き料の申し出

を考慮して判断することになっています。一般に、大家さん自身が使用する必要が出てきた(例えば、遠方で働いていたが物件のある地元に戻ることになった、など)、賃借人が別の物件を借りることは容易、というような場合は認められやすく、立退料の提供はそれを補完するでしょう。例えば、賃借人が他の物件を借りて引っ越しをするために必要な額の提供を申し出ることは解約を認める方向に働きます。いずれにせよ、総合考慮なので、個々のケースにより認められる可能性は異なるので、まずはご相談ください。個々の事案について、認められる可能性や立退料の相場等について、過去の判例に照らして、見通し等を回答させて頂くことが可能です(一定の幅を持った回答にはなります)。

4,契約終了による立ち退きの交渉も弁護士へ

 契約更新拒絶や解約通知による立ち退きの交渉も弁護士にご相談ください。状況により、代理人として賃借人と交渉等を行うことができます。なお、この場合も相談料は初回1時間無料ですが、その後の報酬体系は、賃料未払い解除の場合とは異なりますので、まずはお問い合わせください。

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