明け渡し断行を行なった後の原状回復について

裁判を提起し、明け渡し請求が認められた場合にもかかわらず、賃借人が明け渡しに応じないような場合には、債務名義(判決等強制執行を行なうために必要な文書)をもとに強制執行という手続を進めることになります。

強制執行は、執行官という裁判所の職員が、実際に物件に赴き、賃借人を排除した上で、明け渡しの手続をとることです。このことを、明け渡しの「断行」といいます。

これにより、建物の明け渡し自体は完了することになりますが、この断行で行なわれるのはあくまで、「建物」の明け渡しに過ぎないため、中にある残置物等は当然に処分されるわけではありません。

以下では、明け渡し後の原状回復について説明したいと思います。

 

〈原状回復の手続〉

前記のように、明け渡しの断行が済んだとはいえ、当然に建物の中の残置物(動産)を処分して良いということにはなりません。動産の所有権はあくまで賃借人にあると考えられるからです。

では、残置物については、どのように処分すればよいかということですが、建物の強制執行の際に、執行官が債務者に引渡しあるいは即日売却の手続をとることになります。そして、これらの措置をとらなかった物については、明け渡し断行日から1週間未満の日を残置物の売却期日として指定し、売却手続をすることができます。

自力救済(勝手に動産を廃棄処分すること)は、他の記事でも何度もご紹介していますが、絶対に行なってはいけません。

 

〈保証人への請求〉

原状回復自体は上記のように行なうことが考えられますが、原状回復に要した費用は、誰に請求すればいいでしょうか。

まず、当然のことながら、賃借人本人に請求することが考えられます。しかし、訴訟を提起し、強制執行まで行なっても対応しないような賃借人の場合、悪質であるか、相当資力がない状態であることが予想されます。

したがって、支払は期待できない場合が多いでしょう。そこで、保証人に請求することが考えられます。事業主が賃借人である場合、保証人がその代表者となっていることがありますが、そのような場合に、保証人からの回収は難しいかもしれません。しかし、会社財産に対する差押等を回避する必要があるため、支払に応じる場合もありえますし、保証人が関係ない第三者の場合には、保証人に迷惑をかけないために、支払に応じる可能性もあります。

以上のように、明け渡し断行が完了した後も、様々な問題が起こりえます。適法に手続を進め、確実に債権回収を図るため、ぜひ弁護士にご相談下さい。

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